先日、仕事上でこんなことがあった。
俺と同じ仕事をしているライターAさんが記事内のリンク先を誤って設定してしまった。1ヶ月誰もそれに気づかず、放置状態に。しかも、広告に使ってたものだから広告費垂れ流し状態に。
よくあるミスといえばよくあるミス。これ自体はそんなに大したことはないんだけど、この後の対策がどうも腑に落ちなかったので記事にまとめてみた。
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原因と打ち立てられた対策
この件について、グループチャット上では事業部総出で大騒ぎ。業務委託の俺は客観的に見ていたんだけど、正直「そこまで騒ぎ立てることか?」と思っていた。
なんだかんだ騒ぎがあった挙句、原因として挙げられたものがこれ。
「意識の低さ」
まじかよ…と思った。割とちゃんした会社なのに、小学生みたいな原因で落ち着いちゃった。
打ち立てられた対策
原因がそもそも微妙なんだけど、このあとの対策も見事に微妙!
「チェックリストを作成して徹底する」
で、最終的に落ち着いた。俺から見ると愚の骨頂。サラリーマン、しいては集団って怖いなと思った。
そもそもこの会社、チェックリストの数が尋常じゃない。生まれては運用されなくなっていくGoogleスプレッドシートたちをたくさん見てきた。多分、このチェックシートも同じ運命を辿るだろう。
この件に関しては、俺なりに1週間ほど本当に深く考えた。その上で俺が管理職だったらどうするか、という対策をまとめてみた。
原因を意識の低さで片付けてはいけない
まずは、原因を「意識の低さ」で片付けるのは絶対にダメだ。
俺の意見としては人は意識が高いとも低いとも言える。みんなミスしたくてするわけはないし、頑張ってると思う。だけど、人間だからめんどくさい日もあれば疲れてる日もあるだろうと思う。つまり不安定だ。
同じ職場で働くなら、まずは相手を信じることから始めるべきだと俺は思っている。この場合、女性ライターAさんは真面目に仕事をしていたがミスが起きたということだ。
そして、関わるもの全ては人間であるということも大事。人間は色々ある、特に大人は色々あるだろう。
- 借金まみれになってる
- 彼氏にフラれた
- 整理中で体調がきつい
- 昨日の夜中ゲームやりすぎた
- 朝コーヒーこぼして最悪な気分だった
どれもこれもくだらない理由と言ってしまえばそれまでなんだけど、人間は些細な出来事で心身の状態が悪くなってしまうということは念頭において置いた方がいい。
いつも真面目でミスがない人も、ちょっとしたストレスでうっかりミスをしてしまうものだ。
仕事のミスは交通事故と同じ
俺は仕事のミスは交通事故みたいなものだと思っている。起こそうと思った起こすやつなんていない、ということだ。
だから、「事故らないように気をつけましょう!」といくら言っても無駄だ。交通なんちゃら月間でもガンガン事故が起こってるのはみんな知ってるだろう。
大切なのは、2点だと思っている。
- 事故が起こらない仕組みを作る
- 事故っても軽傷で済むようにする
これを仕事に置き換えるとこうだ。
- ミスの原因になるところは触れないようにする
- 「ごめんない」で済むならそのミスはOK
これが俺の考えだ。多分、あながち間違っていないと思う。チェックリストなんて無意味なものを作るのではなく、仕組みで改善する。
リスクゼロではなく、限りなくゼロを目指す
まず、言っておきたいのがリスクゼロを目指すのは無理な話ってこと。事故がゼロなんてありえない。大切なのは事故ってもまた復活できる状態にしておくということだ。
今回の件でいうと、リンク先を間違えたということが事故。では、どうすればリンク先を間違えずに済むか。
それは、リンク先を1個しか渡さないことだ。
2個以上渡すから、間違いの原因になる。実にシンプル。実はこの会社、みんながみんないろんな情報にアクセスできるのだ。
ライターが運用者の情報を見れたり、逆もしかり。なので、運用面で必要なことをライターがやらされたりする。今回がいい例だ。
どのリンク先を使うのかイマイチ分かりずらいまま、ライターAさんは設定をしてしまった。これが、運用者が自分で設定してれば問題なかったし、「これ設定してください」と1個だけ渡していれば間違うことなどなかったはず。
チェックシート作って「改善しました!」はただのバカ
何か問題が発生すると、すぐに作りたがるのが「チェックシート」だ。これ結局のところ人間力に頼ることになる。
チェックシートを作っただけで仕組み化と言ってるやつはほんまもんのバカだと思います。
特にチェックシートの作り込みが甘いことが多い。たとえばこんなの。
セルA5に入ってる数字が正しいか確認する
こういうチェックシート多く見かけない?「正しいか確認する」の時点でもう機能していない。
正しいと言われるものが本当に正しいかはどこで判断するの?って話。そしたら、正しいものが正しいか確認するってチェック項目が増えるだけ。
まじで仕事でこれはやめろと思う。やることが増えるだけ。仕事を増やすことが管理者の役目ではない!むしろ減らせ。
チンパンジーでもできるレベルでシンプルにする
本当の仕組み化はチンパンジーでも間違えずにできるようにすることだ。ま、これは大袈裟な表現ではあるけどね!
例えばこういうマニュアルはNG。なぜかわかる?
料理Aには醤油Cを使ってください
「この通りにやってください」と明記されてるだけ。料理Bにも醤油Cは使えるし、料理Aに醤油Dも使えてしまうってこと。
せめて、この場合はこう書くのが望ましい。
料理A専用醤油
これだと、料理A以外にこれを使うことはないんだなとシンプルにわかる。ものすごく単純だけど、こういうものはかなり効果がある。
ITの仕事でいえばホームページA専用集計表などになるかな。
あとは、いくつも選択肢があることも問題だ。こういうのがダメ。
黄色ボタン、赤ボタン、青ボタンの順に押してください。
これは、順番は説明されてるけど結局最初に青ボタンも押せてします。押せてしまうってことはミスが起こるということだ。
大切なのは、無駄なものは全部排除すること。そうすれば間違えようがないのだ。
黄色ボタンを押すまで、赤・青ボタンは押せません。赤ボタンを押すまで青ボタンは押せません。
こんな風に、そのとき不要な選択肢は選ばせないようにするということが大切。そうすれば、シンプルになっていちいち考えなくてもいいし、バイト初日の人ですらやりやすかったりする。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました!
チェックリストが全て悪いとは言わないが、業務改善のアイデアでチェックリストしか挙がらなかったならそれは全員頭がお花畑だ。狭い会社の意識だけにとらわれず、しっかりとミスが起きない対策を練ってほしい。
我々人間はミスするもの。注意力散漫当たり前。忘れるからこそ、生きていける。
対人間がどうやったらミスを減らせるか?ってことを考えられる管理職が増えてくれたら良いなと思う。